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葛藤を抱えながらも新しいものを生んで、そして学ぶんだ。

オウンドメディアを通じてサービスコンセプトを伝えようとするなんておこがましいのか

 

 

最近ホットな話題、オウンドメディア。かくゆう私も最近はオウンドメディアについて考え、情報収集をしている。まあ本当はオウンドメディアってもうバズワードすぎて、あまり使いたくない言葉なのだけど。

 
最近私はとある尊敬すべき編集者の方に、
オウンドメディアで企業のメッセージを発信しようとするなんてうっとおしいだけじゃない
と言われて、なんか「はっ」とした部分があったので、それについて考えてみたいと思う。
 
 

オウンドメディアとは

オウンドメディアとは何か、改めて整理する。オウンドメディアの意味するところは、企業owned(所有の)メディアである。それ以上でも以下でもない。
 
しかしその目的に関しては、ちょっとふわふわしている。企業ブランディング?見込み顧客の獲得?ユーザーとのコミュニケーション?それとも他の何か?
 
オウンドメディアをやろうとするのは企業のマーケティング担当だったり、広報担当だったり、それも商材や組織体制によって異なるわけだけど。
 
とにかくそういう担当者は従来のやり方には満足いかなくなって、あるいは、なんかこう、webを上手いこと活用しなきゃと思い至って、オウンドメディアに行き着くかもしれない。
 
なんかそれはもう当然の帰結のように仕組まれていて、webマーケティングの世界はオウンドメディア論に支配されつつある気がする。
 
つまるところ、オウンドメディアは、webを活用したPRの手法として多大なる期待をされている、最後の砦なのかもしれない。
 
 

オウンドメディアではなく、商品でコンセプトを体現せよ

本題へ戻ろう。私がその編集者に言われたのは、

オウンドメディアではなく、商品そのものでコンセプトを表現せよ

ということだった。

 
それは「その通りすぎる!」ってそのとき思った。
 
たぶんwebサービスとかでありがち?なのは、そのサービスは「これこれこういう仕組みで、誰と誰がこうなる」みたいなことなんだけど、でも「企業としてのビジョンはこうなんだ!」と。サービス内容とビジョンがすごい開いてるみたいな。
 
まあビジョンから商品に落とし込むにしても、先にサービスがあって、それを昇華させてビジョンをつくるにしても、そこに乖離が生まれてしまうことは当然なんだけど。
 
じゃあ、商品だけでは我々のメッセージは伝わらないから自社メディアをつくってそこで発信していこう、と。
 
それを、その編集者は否定した。
メッセージはきっとすでに伝わってるし、逆に伝わってないならそれはサービスがダメなんじゃないか。受け取る側はきっと君たちのメッセージなんかに興味はないよ
と。
 
 

でもメディアを通じて、メッセージが伝わるのは事実だとおもう

その編集者が言ったことは真実だと思う。でも、だからと言ってオウンドメディアをやることが全く無意味だということもないと思う。
 
私の考えでは、オウンドメディアの目的は、ターゲットに期待どおりの行動をとってもらうという、まぁとても包括的なものなんだけど、その意味で成功している企業も本当に数少ないけどあるわけで。
 
その一つがLIGさんだと思う。
LIGさんが発信するコンテンツが、私たちのLIGイメージを作り上げていく。「LIGはこんな会社だろうなあ。だからきっとこういうことが得意だろうから、これをお願いしてみよう。」受け取り側はそんなことを無意識下で思う。
 
それはある意味賭けで、一部のひとを排除してしまうことにもなるかもしれない。また伝え方を間違えると、ターゲットじゃないひとから嬉しくない依頼が来てしまうかもしれない。
 
LIGさんの問い合わせの中身がいいものばかりなのかはわからないけど、少なくとも「LIGブランド」は着実に認知されているように思う。ブランディングからマーケティングが、一本のまっすぐな軸で結びついている、成功モデルと言っていいと思う。
 
 

独りよがりは成功しない

「こういうイメージをユーザーに植え付けたい!」という思いがあったとして、それをそのままストレートに伝えても、多くの場合、ユーザーは振り向いてくれない。
 
社会人3年目になって思うのは、営業にしろマーケッターにしろ広報にしろ、相手目線に立てる想像力がめちゃめちゃ重要だということ。
 
先日読んだ『USERS』にも「徹底的にユーザー目線!」ってことが書いてあって、つい最近読んだ『「売り言葉」と「買い言葉」』というコピーライティングの本にも「相手の立場で考え、発言する」と書いてある。
 
USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略

USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略

 

 

「売り言葉」と「買い言葉」―心を動かすコピーの発想 (NHK出版新書 412)

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つまり、こちらの伝えたい意図があったとして、それを相手目線に変換しなければ伝わらないという、シンプルだけどとても難しいことを実践できるかどうかが鍵。
 
その、ユーザー目線に変換されたコンテンツの小粒が重なってゆくことで、ターゲットとする人に、こちらが意図するとおりのイメージを植え付け、期待どおりの行動をとってもらう。そこを目指していきたいね。
 
最後に、その編集者に言われたことと合わせて総括すると、
  • まず、サービス・商品自体で可能な限り、コンセプト・メッセージを表現するこ
  • コンセプトやメッセージをオウンドメディアで「説明」しようとしないこと
  • ユーザー目線で、メッセージを変換して届けること
 
そんな感じかな。